ご挨拶

一般社団法人 日本ステンドグラス工芸士会が設立登記されて5年、構想から7年の歳月を要しました。現在まで、工芸士資格の検定合格者は約200名を越えましたが、業界全体のステンドグラス及びステンドグラスアートの制作者は概算で2000余名と推定されています。プロの職人として工房を経営されている方、また趣味として楽しんでいる方など、様々な方がおられます。工芸士会の理念は、資格者の保守管理と身分保証ですが、ステンドグラス作家の質的向上に寄与し、工芸士資格を規定することで製作基準を明確にし、社会貢献を果たすことです。その為には、業界との相互協力が必然と言えます。最近は熟練作家の減少が顕著になり、技能レベルの低下もありますが、この現象はステンドグラス先進国である英国で約100年前に生じました。技術が廃れステンドグラスそのものが消滅し、半世紀を経て再復活をいたしました。日本のステンドグラス文化は、独自性があるとはいえ英国と同じ現象が起きないとは限りません。工芸士会は、業界に警鐘を鳴らしていますが実務効果が薄いようです。日本に継承されてきた技能や文化を消滅させないようにしたいものです。この業界は作家の集団で作品に没頭され時間が厳しい方々ばかりですが、文化を守るため少しの時間でも頂ければ幸いと存じます。
ご協力のほどよろしくお願いたします。最後に、工芸士会は公益性を目指しています。公益とは、簡単に申せば「多くの人の役に立つこと」であり、社会の利益を考えて執行することと存じます。公益性とは、工芸士会を例に取れば、「公益を生み出す団体」という概念を指します。工芸士会そのものは公益では無く、どのくらい社会利益を供与できる団体なのか…ということが、公益性の評価対象とされます。ステンドグラスを通して、人に「癒やし」や「活力」などを与え、建築物に「景観」「価値観」を演出するとともに、固定された空間に「ステンドグラスアートの創造物」を設置し、光彩を通して美」を競演する。時として、ステンドグラス作品が必要とされる施設に献上し、治癒、養生している人のために役割を担う。工芸士会の目指す公益は、社会利益を備えた活動団体です。


 令和元年10月
 一般社団法人日本ステンドグラス工芸士会
 会長 髙木成忠

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